BLのレビューなんていうお仕事をさせて頂きながら、
ブログでは、木原音瀬氏の作品ばかりを取り上げ
絶賛しまくっているのも、偏り過ぎていてどうよ、
という気がしないでもないけど
木原音瀬氏の作品しか読んでないし、
読みたくないのだから仕方がない。
引き続き、腐女子から借りた、
大量の木原音瀬セレクションを
鈍足ペースで読み進めているのだけど
これまた飛んでもない名作に当たったのでした。
ワタスの中で、『美しいこと』を超えたかもしれない
その作品の名は、『リベット』。
ネタバレするので、「それは困る」という方は
読み飛ばしてください。
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この作品のテーマは、なんと「HIV」!
あとがきで木原氏が書いているけど、
他社ではプロットの時点でボツを食らっていたらしいわ。
そりゃそうだ。
セックスシーンは描きづらくなるだろうし、
安易にHIVをBLで取り上げたら
当事者からはもちろん、
各所から社会的な批判を受けかねない。
いわば、BLにとってHIVはタブーなはず。
それだけに、
大丈夫なの?
迂闊だったんじゃない?
下手なオチの付け方したら、
ワタスだって黙っちゃいないわよ?
──と、姿勢を正し、厳しい視線を送るワタスと
木原氏だもの、きっとやってくれるはずだ!
と期待をよせるワタス。
そんなアンビバレントな思いで
読み始めたのだけど……。
これが実に素晴らしかったの!
ワタスは当事者ではないけれど、
あえてHIVを取り上げるだけあって、
書き手も、しっかりHIVという問題に
向き合っているように感じたし
HIVポジティブが抱える苦悩や葛藤や悲哀、
そして必死に生きようとする強くて脆い姿を
リアルに描ききっている。
(もちろん小説なので都合のいい部分はあるけど)
少なくともワタスは、そこに
「HIVさえも“萌え”の材料にしてしまおう」
というような軽薄さは感じなかったわ。
むしろ「ここまでやるとは」と良い意味で
裏切られた気分で、
恥ずかしながらウルッときてしまった。
『美しいこと』の時にも書いたけど、
これはもうBLではないわ! 上質な文学です!
まあ、とはいえ、
HIVポジティブの人に積極的に勧めようとは思わない。
ただ、HIVポジティブの人が読んでも
悪い反応が返ってくることはないんじゃないか、
そう思えた作品。
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