美しいこと。 | 三十路から始める、ヲンナづくり。

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前身ブログ『新・こんなおゲイの汚れ道。』よりリニューアル。
すいません、もうゲイは卒業です。
30代よりホルモン治療を開始し、
男性でも女性でもなく「女装性」として
生きていく覚悟を決めたアロムの迷走ぶりを見守って!

出版業界全体がこの時期、

年末進行という地獄で皆ヒーヒー言うとる中、

そんなもんと関係のない(エセ)エッセイストであるワタスの

年内の仕事は、あとBLのレビュー1本のみとなり、

かなり余裕のよっちゃんイカ状態。


サンプリングの仕事もこの1週間ないし、暇つぶしに

F'mf(エフメゾ)の店子ちゃんから借りたBLでも読むか~

と、軽い気持ちで読み始めた

木原音瀬の『美しいこと(上)』だったのですが…、

これがもう、本当に素晴らしい作品だったの!

美しいこと(上) (Holly NOVELS) (ホリーノベルズ)/木原 音瀬

木原音瀬氏の評判は以前から聞いていたし、

ゲイライター・伏見憲明先生も絶賛されていたので

それなりに期待はしていたけれど、ここまでとはね~。


ワタス、BLをこんなに夢中になって読んだの初めて。


相当いい加減とはいえ、BLのレビューなんていう仕事をしているので

BLを読む機会も増え、「いい作品も結構あるじゃん」と

BLを見直すようにもなっていたワタス。


だけどその一方で、売上ランキング上位の作品が

必ずしも良質な作品と呼べるものではなく

むしろ、「こんな駄作が何故売れてるの?」と

首を傾げずにはいられないような作品が多いことに

ちょっとガッカリもしていたの。


「腐女子が求めているものって、こんなもんなの?」みたいな。


そういう辟易したワタスの気持ちさえも、

この『美しいこと』は、一気に払拭させてくれたわ。


「こんな素晴らしい作品の書き手もいるんだ」

「こういう作品を支持する腐女子もいるんだ」


とはいえ、この木原音瀬氏の作品にも

しっかり萌えポイントは抑えられている(当然だけど)。


夏におこなった腐女子との座談会で聞いた、

「異性愛者であるのに、あえて"コイツじゃなきゃ!”」

「二人だけにしか分からないものがある」

という、萌えポイント。


たった一人、特別な人がいて

それがたまたま男だった…という根本的な展開は

BLにおいて絶対的ではあるけど

『美しいこと』は、恋ってステキだよね、だけでは消化しきれないような

人間の本質や真理をイヤってほどついてくる。


だから、ゲイ(ワタス)をも納得させてしまうリアリティがあるのだ。


なんだか、もうこの作品は、BLと呼べない気がする。


素晴らしい文芸作品だ、と言い切ってしまえるほどのレベルよ。


主人公が、女装癖のある男(いわゆる、トランスヴェスタイト)というだけで

ほとんどの腐女子は引いちゃうと思うけど、

腐女子であろうとなかろうと、とにかく読んで損なし!の作品よ。

ワタスが証明です!


新・こんなおゲイの汚れ道。-中島香里

BLとは一切関係ありません


下巻まで貸してくれ、というのも図々しいし、

一刻も早く続編を読みたかったので

ワタス、即行で下巻をネットで注文しちゃった~。

(仕事と関係なくBL買ったのも初めて!)


どんなオチをつけてくれるか、チョー楽しみ!


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