ハルを紹介されてから数日、
ワタスもハルと打ち解けるのに、そう時間はかからなかった。
ハルのその人懐っこさと
屈託のない明るさは、とても魅力的だったのだ。
ある日、ハルから送られてきたメールを開くと
そこには、ボーイッシュなスタイルをした女の子か?
と見紛うてしまうほど、
可愛らしく凛とした顔立ちの、ハルのプリクラ写真が添付されていた。
簡単に言ってしまえば、ハルは美形なのだ。
ワタスも、実物より3割増しに撮れたプリクラ写真を送り返したが
到底ハルには及ばない。
性格も顔も良くて、非の打ちどころのないハルに
タカが惹かれるのも当然だ。
東京(タカ)⇔福岡(ハル)と遠距離ではあっても
明らかに友達の域を超えて、親密度を増していく二人に対し
ワタスは嫉妬心を忘れ、
単純に「応援してあげたい」という、優しい気持ちになっていた。
しかし、ハルと話しているうちに
彼の発言から、彼の生活について、思わず「ん?」となってしまう
訝しげなものを感じるようになった。
ハル:「ああー、腹減った~~」
アロム:「夕飯まだなの?」
ハル:「今日、帰りが遅かったから、飯抜きにされちゃってさー」
+++++
ハル:「腕が痛くて、今日は思うようにキー打てない・・・」
アロム:「怪我でもしたの?」
ハル:「母さんに殴られちゃって(笑)」
アロム:「なんで?!」
ハル:「さあ? 機嫌悪かったからなあ。まあいつものこと」
+++++
アロム:「今日もご飯抜き?」
ハル:「うん(笑) テストの成績悪かったし・・・」
アロム:「それでご飯抜きって・・・」
ハル:「オマエなんか生むんじゃなかった、とか言われてへこんだー」
+++++
毎日のようにご飯抜きにされ
ことあるごとに、アザができるほどの過剰な暴力と
愛のかけらも感じられない罵倒の言葉。
ハルは、「いつものことだから」「俺も悪いから」と
けして母親を責めはしないけれど
それって、、、いわゆる、「虐待」ってヤツじゃないの?
──つづく。
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