──ワタスは、ハルに嫉妬していたんだ。
18歳のワタスが、初めて見つけたゲイサイトには
複数の人達で話せるミックスチャットルームが設置されていて
毎日多くのゲイたちが出入りしている。
初めて触れ合うお仲間たちとの
めくるめく出会いと、エキサイティングな会話(チャット)に
すっかり夢中になっていたワタスは
毎日のようにそのチャットルームに入り浸っていた。
そこで出会ったゲイ友の中でも、
3つ年上のタカとは、よく気が合い会話も弾んだ。
もう親友と呼べる仲だ。
ワタスがログインする時には、必ずタカを探し
彼がいない時には、彼のログインを待ちわびる。
その日も、ワタスはチャットルームに
タカの発言ログで存在を確認し、すぐさまログインした。
「あ、アロム。ちょっとメッセ、立ち上げてくれる?」
「あいよ」
チャットルームで親しくなった者同士で
ゆっくり話したい時には、
Yahoo!やMSNのメッセンジャーを使うことにしている。
「アロムに紹介したいヤツがいるんだ」
「ほうほう。どなた?」
「──ハルさんが招待されました。」
タカが、メッセンジャーの機能を使って
ワタスとのログに、「ハル」という人を招待した。
ハル:「はじめましてええええ!!」
タカ:「ははは!元気ええな!」
ワタス:「おはつですー」
タカ:「ハルは、俺の相方やねん!」
ハル:「そうなんです!」
ワタス:「へ??」
タカ:「コイツすげぇおもしろくて、親友の最上級って感じ?」
ワタス:「そ、そうなの・・・」
一番の親友は、ワタスではなく
このハルって人なんだ・・・。
ワタスは、バカらしいとは思いつつも
ハルに対する嫉妬を抑えられずにいた。
──つづく。
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