ゲイが出会った!こんなおホモ達。-3 | 三十路から始める、ヲンナづくり。

三十路から始める、ヲンナづくり。

前身ブログ『新・こんなおゲイの汚れ道。』よりリニューアル。
すいません、もうゲイは卒業です。
30代よりホルモン治療を開始し、
男性でも女性でもなく「女装性」として
生きていく覚悟を決めたアロムの迷走ぶりを見守って!

──前回からのつづき。



19歳で単身上京したワタス。


ゲイ友と二丁目デビューを果たしたり

稚拙ながらも、念願の恋愛を成就させることができたり

それが泥沼化し、酷い失恋の痛手を負ったりと

抑圧されて過ごしていたこれまでの日々を

全部取り戻すかのように

ワタスは、濃厚で刺激的なゲイライフを満喫していた。


沖縄にいた頃には、夢や幻想でしかなかった生活。

孤独だったり、辛いこともあるけれど、

自然に呼吸することが許される、今の東京での時間と空間は

もうワタスとって、なにものにも代えがたいものとなっていた。



そんなある日、沖縄にいる幼馴染のYから電話がきた。


「成人式には、オマエも帰ってくるだろ?」


ワタスたちは、二十歳になっていた。



「うん。1月5日に帰る予定」


「なんだよ、もっと早く戻ってくればいいのに」


「こっちも色々あるんだよ」


嘘。ただ、東京でカレシとイチャイチャと年越ししたいだけ。


「俺ら、何人かで二次会の幹事やることになったから

アロムも強制参加な!」


「え!? 何それ・・・」



──というわけで、

無事にカレシとの年越しを済ませ

沖縄に帰省したワタスは、なぜだか幹事グループに

途中から参加することになり、二次会の準備を手伝うことになった。


といっても、ほとんど面倒な用件は

グループの中心人物が仕切ってやってくれているので

ワタスの仕事といったら、

成人式当日に、式を適当に切り上げ、

真っ先に会場入りし、テーブルセッティングなどをして

参加者がやってくるのを待つってことくらい。


あらかた仕度を済ませて、少々退屈していると

そこへ、学年の番長的存在だったT君が、ヘラヘラした顔でやってきた。


中学の頃は、その素行の悪さから、

教師たちにマークされていたT君だけれど

ワタスには案外優しかった。


たぶんそれは、ワタスが難病なんかを発症した

「ちょっとカワイソウなヤツ」だったせいもあるのかもしれないけど

お茶らけつつも、ふいに気遣いをみせる彼に

ワタスは、ころっとまいってしまい

一時期好きになっちゃっていたこともあったのだ。

はずかしー。


二十歳になったT君は、

ホストチックなチャラチャラした風貌ではあるけど

確実に男前度を増していて、数年ぶりにドキドキする。


今どうしているのか、と訊けば

渋谷に住んでいるというではないか!


T君も上京していたのね・・・。

でも、渋谷のマンションに一人で暮らせるなんて・・・。

あえてつっ込まなかったけれど、やっぱホストやっているのかも。

昔から、口達者だったし・・・。


T君の後からも、懐かしい同級生たちが続々と集まってくる。


どちらかというと、ダサかったり、冴えなかった男子が

ハッとするような美男子になっていたりして

ドキドキが止まらないワタス。

それは女子においても然りだ。


もちろん、逆に残念な仕上がりになっている人もいて

それはそれで、違う意味でドキドキする。


同級生たちだけではなく、当時の担任教師たちも集まって

参加者は軽く100人を越えて、二次会は大盛況だ。

幹事としての仕事を終え、

すっかり手持ち無沙汰となってしまったワタスとYは、

ひっきりなしにやってくる参加者への対応に

あたふたしている受付係りのもとへ

激励に向かった(邪魔をしに・・・とも言う)。


「予想以上に人集まったね」


「●●先生も来てたよ!」


「あいつ、変わってねぇよなー」


なんてことを、会場の出入り口で話し合っていると

すぐそばで、急に人だかりができていることに気がついた。


通行の邪魔じゃん・・・と思って

その人だかりに近づいて覗いてみると、

そこにあったのは、

腰まである髪の毛をたなびかせた

見上げてしまうほどの大きな背中。


こんな大柄な女子・・・いたっけ?



──つづく。


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